似ているガラス3種類の違いと選び方/型ガラス・すりガラス・曇りガラス

「型ガラス」と「磨りガラス」の特徴の違い・選び方のコツ

「型ガラス」と「磨りガラス」の特徴の違い・選び方のコツ

窓や建具に入っているガラスで、交換する時に間違えやすいのが「型ガラス」と「すりガラス」です。人によって呼び方が違っていたりするために、「すりガラス」の名前で注文したけれど、本当に欲しいのは「型ガラス」の方だった…という間違いが起こりやすいガラスです。

このページは、「型ガラス」と「すりガラス」の違いを分かりやすく解説。また、選び方のコツもご紹介します。

この記事のポイント

  • 水に濡れると磨りガラスは透けるが、型ガラスは透けない
  • 柄の細かさに違いがあり、どちらも多くの模様がある

「すりガラス (磨ガラス)」とは

すりガラス

すりガラス(磨りガラス)は、表面に砂を吹き付け、細かく点のような凹凸を無数につけたガラスのこと。「サンドブラスト加工」と呼ばれる加工を施し、表面に微細な凹凸をつけた不透明なガラスです。

磨りガラスの特徴は、水に濡れると透ける点。水に濡れた磨りガラスは、細かな表面の凹凸の上に水の膜ができ、光が乱反射せず透明に見えます。

「型ガラス」とは

型ガラス

ガラスの表面(片面)デコボコしていて、もう片面ツルツルしたガラスで、浴室やトイレなどのドアや窓ガラスなど、主に視界をさえぎる為に使用されているガラスです。 

板状のガラスが作られるときに表面に模様がつけられます。

ドロドロに溶融したガラスは、2本のロールの間に通して平らにしながら冷やしていくことで、板状のガラスになります。その平らにするロールの1本を模様付きにすると、表面に模様(凹凸)がついたガラスになります。ロールの模様を変えることで、さまざまな柄つきガラスが作られます。

「曇りガラス」とは

不透明なガラスの「総称」です。人によっては「磨りガラス」を指すことや、「型ガラス」を指すことがあります。

型板ガラス

型板ガラス

視界をぼかして遮りながらも透明感があり光を通す

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フロストガラス

フロストガラス

白く半透明で視界を遮り、汚れが付きにくい

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すりガラス

すりガラス

白く半透明で視界を遮り、水に濡れると透ける

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「磨りガラス」と「型ガラス」、選び方のポイントを紹介

選び方のポイントは、水に濡れる場所かどうかです。

プライバシー性を守る上で、どちらも不透明なガラスだから問題ありません。一方で、「水周り」や「結露が発生するところ」にすりガラスを使うと、凹凸面(砂を吹きつけた面)が水に濡れて透けてしまうため、要注意です。

この「水に濡れること」をポイントとして、型ガラスすりガラスを使うオススメな場所を紹介します。

型ガラスを使用する場所

型ガラスの使用場所の例/外に面する小窓

外に面する小窓に

型ガラスの使用場所の例/開き戸

開き戸に

型ガラスの使用場所の例/飲食店の窓

飲食店の窓に

型ガラス水に濡れても透けないため、窓ガラスに使われます。すりガラスも凹凸面を室内側に向けることで、雨に濡れて透けることはなくなります。ですが、冬の寒い季節は室内側に結露が発生し、水滴により透けてしまうことがあります。四季を通してガラスが透けないよう窓ガラスには型ガラスの使用が多いわけですね。

また、型ガラスは建具(ドアや室内窓)にも使われます。型ガラスの特徴は、模様つきのロールを変えることで、さまざまな柄(デザイン)を演出できること。

一方で、多くの柄がある型ガラスは「霞(カスミ)」の1種類を指すことが増えてきています。その理由は、日本のガラスメーカーが一番流通量の多い「霞(カスミ)」を残し、他の模様は生産を止めてしまったためです。

故郷に帰ると、築年数の長い住宅の窓で見かける模様付きガラスに、どこか懐かしさを感じませんか? 

子どものころに目にした模様付きのガラスは、ふるさとを思い出す希少なガラスとなりました。『型ガラスといえば「霞(カスミ)」』と呼ばれる所以は、さまざまな模様の型ガラスの生産を止めた時代背景によるものです。

磨りガラスを使用する場所

すりガラスの使用場所の例/障子用ガラス

障子用ガラスに

すりガラスの使用場所の例/内窓

内窓に

すりガラスの使用場所の例/障子用ガラス

障子用ガラスに

磨りガラスは、照明周りに使われます。表面についた細かな凹凸により、光が乱反射することを活かした使い方です。型ガラスにも凹凸はありますが、凹凸がより細かい磨りガラスの方が、光がより拡散します。

また、磨りガラスは、古民家和室の建具に使われます。型ガラスに比べて白く不透明で、障子紙と並んでも遜色がないところから、レトロ調に合ったガラスです。

和室の障子に入った模様付きの磨りガラスを見たことはありませんか?

実は磨りガラスも、砂の吹き付け方を工夫をすることで柄をつけることができます。磨りガラスにも、さまざまな柄入りガラスがあります。

模様つき磨りガラスは、砂を吹き付ける際に、マスキングテープフィルムを用いて、表面の一部に砂が当たらないようにして作られます。「雪見障子」と呼ばれる引き戸に用いられ、筆絵のような絵柄が多くあります。障子に使われるガラスは「ぼかし山水」とも呼ばれ、今も40種類の絵柄があり、愛されています。

障子用ガラス(ぼかし山水)

障子用ガラス 商品画像

版や絵柄つきのマスキング用紙を当て、すり加工した障子用のガラス

まとめ

今回ご紹介した型ガラスと磨りガラスの違いは以下の通りです。

型ガラスとすりガラスの違い
  • 作られ方が、「ガラス板が作られるときに模様がつくもの」と「作られた板に砂を吹きつけたもの」の違い
  • 水に濡れると磨りガラスは透けるが、型ガラスは透けない
  • 柄の細かさに違いがあり、どちらも多くの模様がある。

表面が凸凹していて一見似ていますが、機能やデザインの特徴を比べると別物。施工したらイメージと違うことがないよう、正しく選んでくださいね。

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