飛散防止塗料の効果を比較検証!

ガラスは割れた衝撃で広範囲に破片が飛び散ってしまいます。もし周りに人がいれば、その破片が手や足、目に当たり、怪我を負う可能性も……。
それを安全なものにしてくれるのが「飛散防止性能」を持ったガラスです。ガラスの飛散防止には、一般的に「飛散防止フィルム」が使われますが、飛散防止効果を付与する特殊な塗料を使う場合もあります。
今回はそんな「飛散防止塗料」にどのくらい飛散防止効果があるのか調べるべく、飛散防止塗料を使っていないガラスと飛散防止塗料を使ったガラスを割り、実験してみました。実験時にガラスが割れる様子を撮影した動画も掲載しています。
この記事のポイント
- 飛散防止塗料を塗ったガラスは、表面に作られる膜によって、破片が飛散しにくくなる
- 塗料だけでなく、飛散防止フィルムも販売している
実験開始!
今回使う飛散防止塗料はこちら。塗料の硬化時間短縮のため、硬化剤も使っていきます。
品名 | 効果 |
---|---|
FOC WPD-02 クリアー Type : SP | ガラス表面に塗ることで破片の飛散を防止する |
添加剤 WV | 飛散防止塗料の硬化時間を早める |

この飛散防止塗料を、「フロートガラス(透明ガラス)」に塗って、実際に割ってみます。
飛散防止塗料の塗り方

(1) 塗料と添加剤を容器に入れる
「飛散防止塗料 : 添加剤 = 100 : 5」の割合で、プラコップなどの容器に入れます。

(2) 溶剤を混ぜる
溶剤が均一になるよう手早く混ぜあわせます。

(3) ガラスに塗る
刷毛等を用いて、(2)で混ぜた塗料をガラスの片面と小口にムラが出ないように丁寧に塗ります。

(4) 硬化を待つ
塗り終わったら埃などが付きにくい場所で放置し、塗料が完全に定着するまで待ちます。常温の場合は1日以上、高温の場合は80℃で30分かかります。
分厚く塗る場合は、(3)(4)を繰り返し重ね塗りします。厚く塗るほど、飛散防止効果は高まります。
見た目の違い
飛散防止塗料を塗ったフロートガラスと、何も塗っていないフロートガラスを並べてみました。

飛散防止塗料を塗ったガラスは光を受けて波打っているように見えます。
割り比べてみる
それでは、飛散防止塗料を塗るとどのように変わるのか割り比べていきましょう。
まずは、飛散防止塗料を塗っていない普通のフロートガラスを落下させ、割ってみます。

ガラスは一瞬にして粉々になり、破片も勢いよく飛び散りました!段ボールで仕切られた範囲一面に鋭い破片が散らばっています。これは非常に危険です。
続いて、飛散防止塗料を塗ったガラスを、通常のフロートガラスの時と同様に落下させてみました。さて、破片は一体どうなるのでしょうか?

ご覧ください!ガラスは割れたものの、破片はほとんど飛び散っていません!先ほどの無惨に飛び散った通常のフロートガラスと比べると、すばらしい効果です。

割れた破片を持ち上げてみたところ、ガラスの表面に膜が張り付いています。この膜こそが飛散防止塗料の正体で、これらがガラスの破片同士を繋ぎとめ、飛散を防止しているようです。
せっかくなので膜を剥がしてみました
先ほど割ったガラスについていた膜を剥がしてみましょう。
膜は非常に薄く透明で、ヒラヒラしています。引っ張ってみると、まるでラップのように柔軟性もありました。
飛散防止塗料を塗ると、ガラスの表面にビニールフィルムのような膜ができ、その膜がガラスの飛散防止を可能にしている、ということが実証されました!飛散防止塗料を塗っていないガラスに比べ、ずっと安全ですね。
飛散防止塗料で安全性アップ!
今回の実験で、「飛散防止塗料を塗ったガラスは、表面に作られる膜によって、破片が飛散しにくくなる」事がわかりました。塗料を塗ると塗り跡がつき、ガラスを通した景色が揺らいでしまうのが惜しい所ですが、安全性が確保できる点は間違いないようです。
「飛散防止塗料」や「飛散防止フィルム」を使ったガラス以外にも、「合わせガラス」「網入りガラス」など、飛散防止効果のあるガラスは沢山あります。破片が飛び散らない安全なガラスについて、何か気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。弊社オペレーターが、丁寧にお応えいたします。